SSブログ

労働党の議員と電車で同席 [イギリス留学]

イギリスの複数のNGOが、共同で数名の国会議員達をウガンダに招待するという。現地の状況を直接見てもらうという企画で、アドボカシ-活動(advocacy:唱道)の一つである。
9月末は、労働党が南部の行楽地ブライトンで党大会、保守党が西部の行楽地ブラックプールで党大会を開催中。ウガンダ旅行の参加予定議員に詳細説明を行うべく、友人のNGO職員が他参加NGOスタッフ達とともにブライトンに向かうのに、同行させてもらった。


(ブライトンの海岸)


(街中に労働党の旗がはためく)

ところがなんとロンドンの駅で、1人の労働党議員-前回議会でお茶を飲んだDrew議員-とばったり遭遇。そのままブライトンまで小一時間、電車で相席することになった。あつかましくなれない私は、傍観者に徹していたが、議員さんは雑談で「へぇ、MA終えたところなんだ。修論のケーススタディは何にしたの?」と気さくに声をかけてくれたりと、投票権のない私にも、とても人あたりのいい方だった。他の議員さんたちも、とっつきやすい雰囲気の人々が多かった。(ちなみにこれが保守党になると、やはり上流英語に、仕立てのいい服、いい貴金属を身につけていたらしい。友人談。)

ところで今回のウガンダ旅行。ポイントは「複数の団体による企画。偏りなく、各団体の支援現場を視察する」というところにある。実は各議員が確認してきたのも、この点だ。議員によって、支持基盤が大きく異なる。宗教を背景にした団体、子供に焦点を当てて活動する団体、それぞれが召集をかけても、これほど多くの議員参加は見込めなかっただろう。多くのNGOが共催しているから、議員も自分の背景に有利なNGOの名を「例示」して、支持者の関心を引くことができるし、もしくはその「中立性」をアピールすることができる。NGO側も財政的に負担を分散することができる。議員達は、労働、保守両党から数名ずつ来るそうで、お互いが楽しみにしているそう。(議員さんは600人近くいるので、党が違うとさらに知り合う機会がないとのこと)たのしい修学旅行になりますよう。笑。


写真について [日英比較のおはなし]

「本当に日本人ってなんでも写真撮るんだね」と、イギリス人のフラットメートに言われた。フラットのお別れ会でのことだ。
私は、キッチンで皆が自然に話す写真が撮りたかっただけなのに。

日本フィーバーで日本ネタが最近多い英国CMでも、ロンドンの2階建て観光バスに満載の日本人がパシャパシャ写真を撮ってるシーンがあった。
以前ロシアの洗剤のCMで日本人エキストラをした時、「観光客役」と指示されていなかったにもかかわらず、私を含め、呼ばれた日本人ほぼ全員がカメラ持参で撮影場所に来ていて、コーディネーターが妙に感心していたこともあった。

極めつけが、友人とロンドンのバス停に立っていたときのこと。
近所の大学生と見られる日本人が、仲間達に「あ、ちょっと待って」と英語で言って、振り向き様、夜空にオレンジ色に鈍く照り返るバス停を撮ったのだった。
「なんで日本人はあんなものを撮るんだ?」と呆れる英国人の我が友に、私はふつふつと怒りを感じた。

私は思う。美しいものを残したいと思うのは、自然な行動だ。そして、電灯を照り返し、柿色のやわらかい光を夜空に解き放つ、無機質な白いバス停に「美」を感じられない英国人こそ、哀れまれるべき。
私は思う。「思い出は記憶しておけばいいことで、いちいち写真に撮るのは好きではない」という姿が“高尚”なのではない。それと同等に、「思い出を形に残し、皆で観賞する」のも文化の一つの形である。
私は思う。「写真を撮る姿」しか知らない外国人は、残念に思うことだろう。そこでどのような絵が撮られているか、どのような瞬間が切り取られているのか。撮られた写真がどのように、友人、家族の中でシェアされるのか。知ったらきっと、その文化、技術と感性は、寿司やマンガと同じくらい敬意を払われるかもしれない。


「すいませんねぇ」への違和感


帰国して数時間後、即、和菓子屋さんに行った。「豆大福くださいっ」。
「はいはい」店員のおばちゃんが大福を包みだし、赤いお代入れのお皿を私の方に向け、言った。
「すいませんねぇ、こちらにお代お願いします」

一瞬、何に対して「すみません」と言われたのかわからなくて、躊躇した。
何?私、謝られるような何をしたの?
そんなに「そこにお金なんて入れたくないよっ」って嫌そうな顔でもしていたのか?
真面目に混乱していた私に、たたみかけるようにおばさんは言葉を継ぐ。
「はい、すいません、こちらです」

白いビニール袋が手渡される。

ここでやっと気づく。この「すいません」は、謝罪ではなく、言葉の円滑油の「すいません」であることに。

私は別に、ここで安易な文化論を繰り広げたいのではない。ただ痛感するのは、尊敬語も謙譲語も丁寧語も、「相手との“距離”の測り方」と「心」が慮れる繊細な言葉であり、通り一遍で使ってしまっては、逆に相手に失礼にあたるということである。

極論を言えば、おばさんが上記の条件で私に「すいません」と発するのは、私がお代をそこに出したくないのに、わざわざお皿の上に置かせてしまって「すいませんね」、もしくは私がお金を払いたくないのに、お財布からお金を出すなんて面倒なことをさせてしまって「すいませんね」という脈になってしまう。この場合、使うべき言葉は、お買い上げいただき「有難うございます」ではないだろうか。なぜなら、おばさんと私の関係は、金銭を介在する客と店員の関係。一番単純な構図は「買ってくれて有難う」であり、「買うために、代金を支払うため皿にお金をいれてくれて、ビニール袋を受け取るために手を伸ばさせてしまって、すいません」ではないからだ。

「すいません」は、使いようによっては大変美しい言葉かもしれない。発する人間の深い深い配慮を、それとなく対象者が感じられた時。それはきっと日本語、日本文化の醍醐味だろう。だが逆に使い方を間違えると、大変イヤミ、もしくは不快感を与えうる言葉である。


日本人観光客はかわいい [イギリス生活]

「あら、あの方々か運んでくださるのね。見て、オランダの方ってあんなに背が高くていらっしゃるのね」。KLM乗務員達が機上するのを見て、搭乗口で日本のおばさまがたがさざめく。
「そーりー。そーりー。」と小さなおばあちゃんが出口に向かい、お手洗いの行列とすれ違う。

日本人観光客ってかわいいっ。そんな感慨をもったのは初めてだった。

以前より日本人観光客は揶揄されてきた。おのぼりさんでブランドの価値もわからないのに群がり、とにかく写真を取りまくるーと。私も学生の頃は、’日本人観光客が軽視されている’ということを敏感に感じ、一緒にされたくないと反発してきた。巣鴨にいるようなおばちゃまたちがいきなりヨーロッパに出現し、その空気をそのまま持ち込んでいることに、違和感を感じていた。

しかしながら、小さくて礼儀ただしくて、素直に感動するおじちゃん、おばちゃんたちは、実はかなり誇れる人々なのではないだろうか?お金を貯めて、休日をとり、海外に行き、見たいものを見、感動し、その記念を持ち帰る。それらは彼らの勝ち得た権利であり、馬鹿にされるいわれはない。逆に、あんなにかわいらしいコメントを連発しているのに、言葉を知らないから理解できない欧米人、自分たちが観光され賞賛されることであたかも自分たちが上位にいるように錯覚する、そんな人々にこそ問題がある気がする。


修論無事提出 [イギリス留学]

これが私の修士論文です。

20日 製本されたものを受け取った時は、感動のあまり、店内が涙でぼやけました。
21日 読み返してみたらミスが沢山あって、別な意味でまた涙が出てきました。
22日 締切日、クラスメート達と一緒に事務局まで提出のため「行進」しました。
    修論が私の手を離れたとき、嬉しさよりも、手が軽くなったことが寂しくなりました。 

論文の最初に「acknowledgement」というページがあります。「謝辞」というものです。
仕上げの最終日にこのページを書いていて、私は
「人生でここまで人に感謝したことはあっただろうか」
と思うほど、深く深く、深く深く、
これまでを振り返り、多くの人々に支えられてきた事実を、かみしめました。

謝辞のページは、おそらく、当人にしか意味を持たないページでしょう。
今まで、どんな本や、また音楽賞の謝辞も「かっこつけ」のような気がしてました。関係者でなければ意味わかりませんし。
でも、今回思い知ったのです。

末尾を「彼らのサポートなくして、この作品はありえません」でしめたように、内容的にも、精神的にも、支え励ましてくれる人々がいたからこそ、修論を仕上げることが出来ました。感謝してもしきれない。せめてその気持ちを表したいーその場が「謝辞」なのです。修論では精神的に支えてくれた人たちは「friends」と軽くしか述べられませんでした。なのでここにて補足です。

19人のクラスメート、お仲間のChisa,Mik,Nori、フラットメートのAnna×2,Christine,そしてNeillがいなければ、私はこの素晴らしい1年を過ごすことはできませんでした。そして、私の素晴らしい父と母と妹に感謝します。ありがとうございました。


ハリケーン カトリーヌの真面目な話 [本当にどうでもいいおはなし]

カトリーヌは太った女の子どころの話じゃなくなり、ちょっと不謹慎だと思うので、真面目な話も書こうと思います。

先進国でもそうなのか。。暴動・暴行対策として州兵が動員されているとのこと。ニュースでは略奪を企てた人たちが、銃を突きつけられ山程の獲物をぬかるみに落とし、手を挙げる姿が何度も何度も映し出される。ツナミの時の互助の姿とは大違いだ。途中で諦められ泥の中の落とされた収奪品は、一体誰のものになるのだろう。混乱に乗じて闇社会も出てくるかもしれないし、第一銃社会のアメリカでは、武装強盗も出てくるかもーと思っていたら、本当に武装集団もいるらしい。人間の欲というのはフタが無ければ、ここまで歯止めないものなのか。

数年前のインドネシアの暴動の際、民衆が店を襲って略奪を働いていた。TVでその映像を見た知人の知人は、超に超がつく程の金持ちにも関わらず、隣人に言ったそうだ。「あら、あなた店に行くならXXX取ってきて」

よく、人間の本性は極限におかれたらわかるーと言われる。日本で同じことが起きたら、日本人は暴動・暴行を繰り広げるだろうか。それはあまり想像しにくい事象である。しかし、そこから「日本人の本性が道徳的に優れている」と導き出すのは簡単過ぎる。なぜなら、私達には「恥」という枷があるけれど、彼らにはそれがないだけなのだから。そしてその枷があり、それに従うことがすなわち「道徳的か」というと、それは私達日本人の価値観であり、他の国では他の、モラルに対する尺度がある。
もちろん、盗みや暴行が許される国はない。ただ、秩序が守られる理由は国それぞれであり、「教育の度合い」で表現できるけれど、「モラルの中身」は一律ではないということだ。


ハリケーン カトリーヌと聞いて思うこと [本当にどうでもいいおはなし]

ハリケーン カトリーヌと聞いて思うこと。
①絶対に現在アメリカの小学校にて、カトリーヌという名の女の子が「わーいハリケーン」「おまえ最大級」とはやしたてられ、いじめられているだろう。(特に太めな女の子)
②そして上記のような発想をした人が世界各国で最低3人はいるだろう。これを計算すると、地球上で約600人が同じ発想をしたことになる。

カトリーヌ、めげずにがんばれ。


結局「NHS歯医者」に行ってきました。予約と治療について

歯医者続報です。
HARIBOで銀歯の取れた私。修論中で時間もないので、またリーズに行くのも億劫。銀歯取れただけだし。というわけで、ダメもとでヨークのNHS歯科に電話し、外交的質疑応答をこなしたところ、即日アポイントメントが取れたのでした。

予約について
①歯医者検索はNHS(National Helth Service;外国人でも居住者は無料で治療が受けられるイギリスの医療サービス)のHPで検索できます。
②しかし、ヨークは歯医者の数が圧倒的に少ないため、全てのクリニックが「新規患者お断り」です。
③ためしに電話してみたクリニック数件。しかし受け付けのおばさん達は、親切に「ヨークNHS歯科なら緊急を受け付けてくれるから電話してみなさい。」と助言してくださるのみ。
④NHS歯科で予約を取るポイントは「朝イチに電話する」ーらしいと学習。私は10時半頃電話して、その日の最後の予約枠を獲得することが出来ました。そして次のポイントは「外交的会話」です。痛いか、どんな状態か、聞かれます。そこで前回、真っ正直に答えたがために、ますます予約から
遠ざかった私は、今回嘘はつかず、しかし治療が必要であることをアピール。(実際予約さえ取ってしまえば、ここでの会話はまったく治療時に確認されることはないので、問題ありません。でも、基本、嘘はいけません、嘘は。)

治療について
①お医者さんは「シルバーヘアのナイスミドル」。ここで一気に「緊急サービス」の心配が吹っ飛びました。(いいのか、それで。。。)
②緊急治療なので、他の一般クリニックのように「新規登録手続き」なし。つまりレントゲン撮影と記録取りがなしで、手続き料金(通常5000円ほど取られる!)もなし。
③銀歯が取れたのは虫歯のせいではなく、「接着剤が古くなったから」。という所見で、銀歯を戻して治療は終了。(ここでまたドクターは助手に「これを見てごらん」と和製銀歯とその技術について講釈。「日英歯科技術の橋」となる)。治療費は14ポンド(2800円)

そこで疑問。接着剤は古くなるのか?そんなんでいいのか?
さらに、「噛み合わせは銀歯を入れなおした所が高く感じられるだろうけど、一時的なものだから」と言われる。2日後の現在、噛み合わせのバランスがおかしいせいか、反対側の歯が痛くなってきた。

もう日本に帰りたい。。。




3ヶ国で猛威をふるうHARIBO熊の脅威。

ロシア、日本、2カ国でHARIBO熊の攻撃を受け、歯の詰め物が取れた経験をもつ。
噛んだだけで銀歯が取れる。こんなに大好きなのに、相性の悪いお菓子というものが存在するなんて。

学習能力の低い私が、2年間の休養を経て、「なんとなく」またHARIBOに手を出してしまったのが運のつき。見事にまた詰め物が取れた。あと一ヶ月で帰国というときに、また馬鹿高い歯医者に行かなければならない。

ハリボ熊が笑っている。



オースティンパワーズ:このブログの中で一番どうでもいい話。 [本当にどうでもいいおはなし]

ここ数週間地上波でショーンコネリー主演の007シリーズを堪能していた。
実は007よりもオースティンパワーズを先に見ている私は、今更のように、
「Dr.No」での放射線チェックシーンや、「ゴールドフィンガー」の巨体韓国人や、「007は二度死ぬ」での力士、「サンダーボール作戦」での悪役部下の処刑シーン、数え切れない程007がオースティンでパロディ化されていることに気づいた。
ちなみにパワーズがカメラマンでモデルさんたちとノリノリだったシーンも、実は実在のカメラマンのマネであることが発覚。(ネットで見てみるとBlowupという映画のパロディとされているが、昨日TVを見てたら、実在のカメラマンさん(名前忘れた)が実在のモデルさん(同左)を撮る白黒映像が流れ、下にテロップで「これがパワーズでネタに使われた」と出てきていた。もしくはこれが映画の元ネタで、パワーズは映画をネタにしたのか?不明。というか最近TVの見すぎ?)

とりあえず。偶然知った事実。
「オースティンパワーズ」で主演のマイク・マイヤーズは、
オースティンパワーズのみならず、ドクターイーブル、ファットバスターズ、ゴールドメンバーの4役をこなしていた!確かに特殊メイクのおかげと言えばそれまでだが、そこまで演じわけられるなんて本当に驚いた。

(スコットランド土産のスノーボール。あまりにファットバスターズにそっくりだったので。)


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。